伝統ある信陵同窓会の会長に去る6月8日の常任理事会・理事会で選出されました。母校は2022(令和4)年に創立100周年を迎えました。1922(大正11)年に設立された福島高等商業から福島経済専門学校、福島大学経済学部、経済経営学類と名称は変わりつつも「信陵」魂は連綿と継承され、多くの人材を輩出してきました。そして今、母校は大きな変革の時を迎えています。
福島市・信夫山の麓、森合の地に開校した学校は金谷川に移転。今や福島大学は経済経営、人間発達、行政政策、共生システム理工、食農の5学類を擁する総合大学として歩んでいます。信陵同窓生も森合で学生時代を過ごした、いわゆる「森合世代」を「金谷川世代」が数の上で大きく上回っています。入学から金谷川で学生生活をスタートした金谷川1期生も還暦を迎えました。
こうした状況において同窓会活動は世代交代を進めていくことが求められています。金谷川世代に推進力のバトンを渡し、世代を超えて「信陵」に集っていくこと。2年前の母校創立100周年事業として経済経営学類の玄関前に記念碑を建立しました。碑には「百年の伝統と未来への革新」の文字を刻みました。実行委員会を構成する同窓会と大学が考案した言葉です。この「未来への革新」へ向けては高いハードルがあります。
いま、福島大学は大掛かりな「全学再編」を進めています。既に共生システム理工学類の定員を40人増員するとの方針が明らかにされていますが、文系については経済経営学類と行政政策学類の統合が模索されています。こうした動きに対して信陵同窓会は、歴史と伝統のある「経済」の名称を残すとともに、今後の改革案を遅滞なく同窓会に示して欲しい等を要望しています。
経済経営学類と行政政策学類が統合となれば、同窓会はどうなるのか、100年余の伝統を誇る「経済」と昭和63(1988)年開設で36年の歴史がある「行政」。信陵同窓会に対して「行政」の同窓会「阿武隈会」。この二つの同窓会の存立をどう図っていくかが大きな課題となってきます。信陵同窓生は全国に1万3000人。世代を超えて同窓会に結集し、ハードルを乗り越えていきたいと思います。ご支援をお願いします。
信陵同窓会長 略歴
菅野 建二(かんの・けんじ)
1950(昭和25)年4月生まれ。福島県川俣町出身。
1969(昭和44)年3月 福島県立福島高校卒業
1973(昭和48)年3月 福島大学経済学部卒業 大学21回。
福島民友新聞社常務取締役編集局長・論説委員長などを歴任。
令和3年7月~令和6年7月 福島信陵会会長を務める。