盛大に創立95周年を祝う

600人余が福島の式典に集う

 福島大学経済経営学類の創立95周年記念式典が平成29年10月28日(土曜)、福島市のウェディングエルティで開催されました。経専、経済学部、経済経営学類の同窓生600人余が集い、母校の歴史を振り返りながら、節目の年を祝いました。

 正午開場とともに受付には続々と同窓生が来場し、ビデオ「95周年の歩み」が放映される中、式典会場に入りました。学生歌「今日の世紀に」のコーラスが流れる中、記念式典が開会。佐藤慶吾実行委員長(福島信陵会長)が「ようこそ、心のふるさと福島にいらっしゃいました。心より御礼申し上げます。同窓生、母校の先生方、学生の皆さんと一堂に会し、同窓の絆を強めて100周年へ向けての力にしたいと思います」と開式の言葉を述べました。

 物故会員への黙祷を捧げた後、大会会長の永倉禮司信陵同窓会長が、「県内外から600人を超える同窓生が集まり、95周年記念式典を挙行できることは、同窓生一同、この上もない喜びです。これまでは10年毎の式典でしたが、今回初めて95周年で式典を開催しました。これは、2022年の100周年という大きな目標に向けての取り組みであり、東日本大震災・原発事故被災からの復興・再生へのご支援に対する感謝を込めたものです。今回は95周年事業として被災地を訪問し、更なる支援につなげたいと思います。また、同窓会員数においては、森合世代を金谷川世代が上回っており、金谷川世代の組織づくりを進めていくためにも共に集い、語り合っていきたいと思います。さらに、森合世代も金谷川世代も今回を機に福島・母校に結集することで一致協力して、平成31年4月(仮称)食農学類を創設して『地域と共に歩む人材育成大学』として発展をめざす母校と、『グローカル人材育成事業』により、福島・全国・世界で活躍できる人材の育成を目指す我が経済経営学類を支援して参りたいと思います。創立100周年にまた、お会いできることを念じております」と式辞を述べた。

 続いて中井勝己福島大学学長が「95周年式典に各地から同窓生が集まっていただきありがとうございます。東日本大震災から6年7カ月が経過しましたが、いまなお5万4000人が県内外に避難しています。日々復興は進んでいますが、地元の国立大学として復興に関わる人材を育てていきます。現在、『食農学類』開設の準備を進めているが、農業復興へ経済経営学類の先生が取り組んできました。新しい食農学類を創っていきます。90周年から5年が経過しました。明日のバスツアーで厳しい現実と、この5年で復興が進んだところを見て引き続き支援を賜りたい」と挨拶。

   佐野孝治経済経営学類長が「全国からおいでいただきお礼申し上げます。大震災後、経済経営学類は汗を流し、知恵を絞ってきました。伝統の力が強みであり、震災後5年間の本の発行は1・5倍の60冊になり、論文も増え、教育水準が高まっています。今後もグローバルな人材を育成、地域社会に貢献できる人材を送り出したい。ご支援をお願いします」と述べました。

 このあと永倉会長から「創立100周年記念教育支援基金」への支援が発表されました。この基金は「福島大学経済経営学類創立100周年記念教育支援基金(福大経済100周年基金)」として、信陵同窓会、同窓生個人を中心に関連企業も含めて創立100周年の2022年までに5年間寄付金を積み上げていく趣旨です。信陵同窓会は大学の募金に協力してきましたが、これまでの募金は経済経営学類を含む4学類の学生に給付されてきました。今回設ける基金はグローカルな人材育成のために経済経営学類学生のみを支援していこうとするものです。このあと鈴木恒雄副会長(東京信陵会長)が閉式の辞を述べました。

渡邊博美福島商工会議所会頭(大18)が講演

 記念式典に続いて記念講演会が開かれました。登壇した渡邊博美福島商工会議所会頭は大学18回卒。「福島大学で学んだ事―東日本大震災後の覚悟」と題して森合時代の学生生活の思い出や地元企業の福島ヤクルト販売に入ってからの体験、東日本大震災時の対応を語りました。

渡邊会頭の講演要旨は次の通りです。

 私は森合世代。生まれも育ちも福島市です。信夫山の麓で遊んでいました。中学からバスケットボールをやっていて、大学では教育学部のバスケットボールクラブに入り、浜田町の教育学部へ練習に通っていました。昭和39年の東京オリンピックの時は高校生で福島市内を聖火リレーの一員として走りました。大学ではあまり勉強した覚えがありません。大学紛争のさなかでした。玉山勇先生の「明治維新からの近代経営史」のゼミで渋沢栄一氏を研究しました。3、4年では高湯の合宿で本を読まされました。卒業と同時に同級生は東京方面や大きな会社に行きました。私は地元に残り、山田英二氏が始めたヤクルトに入社しました。当時は設立15年くらいの会社でした。一生懸命仕事をしましたが、あることをきっかけに人間性をずるくしたら、うまくいかないことを感じました。当時、梁川町のニット会社に営業に行きました。先輩から言われて営業テクニックとして、自宅にプレゼントを持って行き、社長の奥様に気に入られようとしました。そうしたところニット会社で社長に1時間説教されました。その若さでテクニックを使うなど別の会社の社員でも許さないと叱られました。その後、社長に受け入れていただき、取引してもらいました。それからはエチケット、マナーを身に着けるよう社員教育を土台にしました。全国でもトップクラスの企業になりました。50代で社長になりましたが、60歳近くなり、そろそろ交代しようとした矢先に大震災が起きました。ダメージから立ち直る基礎となったのが、人との関係です。玉山先生から教えていただいたのが「社会貢献」です。わが社は女性の嘱託が多かったのですが、レベルの高い仕事をするときに正社員と待遇が違うのはがっかりすると言われて全員を正社員にしました。

 震災では津波で23人が犠牲となりました。当初は何が起きたのか理解できませんでした。営業エリアの3割が一瞬になくなりました。毎月赤字が2000万円。年間2億数千万円の赤字となります。相当な覚悟がないと出来ないと感じました。私に一任してほしいと株主のところに行き、了承を得て、3月決算では臨時ボーナスを出し、4月には昇給を実施するなどし、社員のために対策を行ない、3年目には震災前の売り上げを上回ることになりました。私たちの会社では保育所を30年前から15カ所経営していますが、宮城県亘理町で働いている保育士さんと家族3人が津波の犠牲となり、高校を卒業したばかりの長男1人だけが残されました。その子は友人の祖父母が引き取りましたが、家族も家も失ったショックで言葉が出ない状況だったそうです。ある日、車でリサイクルショップ前を通った時、「グローブとボールが欲しい」と初めて口をきいたそうです。面倒をみていた友人の祖父母は「うれしいことがあった」と私に報告してくれました。その子は専門学校に行き、自動車整備工として復興公営住宅に住んで地元で頑張っています。

 震災は人を試しました。人間としてやらざるを得ないことをする。本当の英雄は一般の人の中にいっぱいいます。私の前任の会頭の瀬谷俊雄さんから「今度は地域のために頑張ってくれないか」と言われ、会頭を引き受けて4年になります。福島大学、玉山勇先生から教えていただいた「人を大切にする、人を伸ばす、信頼関係をつくる」ということを現場で実践したことが成果につながったような気がします。

 福島大学は100周年へ向け、世界でも全国でも評価される大学だと思います。卒業生としてこれからも頑張っていきたいと思います。

二つのゼミが研究成果を報告

 渡邊会頭に続いて講演会では、母校から二つのゼミが研究成果を報告しました。マッカーズランド・フィリップ・リロイ教授と沼田大輔准教授が担当し、ゼミ生の渡辺彩さん、金子龍さんが「福島大学から世界へーヒューストン市役所でのインターンシップ2017」、次に吉田樹准教授が担当、ゼミ生の遠藤和弥さん、岩渕航平さん、川上大輝さん、井出優花さん、酒井祐佳さんが「地域公共交通によるおでかけ機会の創出」の題でそれぞれ研究成果を発表しました。講演会は永倉禮司信陵同窓会長の謝辞で締めくくりました。永倉会長はあらためて「福大経済100周年基金」への協力をお願いしました。

なごやかに記念祝賀会を開催

 記念祝賀会は会場を2階に移して開催されました。今回は卒回ごとに色別に4つのゾーンに分けたことでスムーズな移動が実現できました。大山明政副会長(仙台信陵会長)が開会の言葉を述べて幕開け。

 壇上には同窓会員の酒蔵で全国新酒鑑評会金賞に輝いた金水晶(福島市)と萬代芳(会津美里町)の祝樽が置かれ、歴代同窓会長らが鏡割りを行いました。中川治男元会長の発声で乾杯、会場は和やかな雰囲気に包まれました。美酒とおいしい料理に舌鼓を打ちながら、学生時代の思い出や互いの近況を語り合いました。

 中締めは早川敬介副会長(郡山信陵会長)が威勢よく三本締めで締めくくりました。祝賀会後は同期会やゼミ会などそれぞれの会場に向かっていきました。

 今回は同期会が90周年の時の倍近い29の卒回が開催となり、加えてゼミ会も活発に開かれ、先輩、後輩の親睦を深めました。

DSC_9839.JPG 創立95周年記念大会の会場 ウェディングエルティ

DSC_9950.JPG 受付には続々と同窓生が来場

DSC_9984.JPG 佐藤慶吾実行委員長(大18)の開式のことば

DSC_9986.JPG 物故会員へ黙祷

DSC_0063.JPG 永倉禮司信陵同窓会長(大15)あいさつ

DSC_0019.JPG 中井勝己学長あいさつ

DSC_0049.JPG 佐野孝治経済経営学類長あいさつ

DSC_0002.JPG 永倉会長より「創立100周年記念教育支援基金」設立の発表

DSC_0078.JPG 渡邊博美福島商工会議所会頭(大18)のご講演

DSC_0099.JPG 渡辺彩さん、金子龍さんの報告

DSC_0140.JPG 吉田ゼミの皆さんの報告

DSC_0118.JPG 講演・研究成果報告を熱心に聴く皆さん

DSC_0196.JPG 同窓生蔵の酒で鏡開き

DSC_0201.JPG 中川治男元会長(大3)の発声による乾杯

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DSC_0302.JPG 学生歌斉唱

DSC_0305.JPG 指揮は尾形克彦氏(大22)

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DSC_0326.JPG 中締めの後、皆さんそれぞれの同期会場へ